レッグペルテス病(レッグカルベペルテス病)は血流の阻害により大腿骨頭、骨頚部に非炎症性無菌性壊死が起き大腿骨頭と骨頚の壊死、変形を起こし疼痛を示す病気です。血流障害の原因には諸説がありますが、未だ不明です。トイ種、テリアなどの小型犬の若齢(3-13ヶ月くらい)で多くみられ、片足の症状を起こす事がほとんどですが、15%前後で両側に発生する場合もあります。
症状
初期は症状が軽く、患肢や脇腹を舐める・咬むなどの症状のみが認められ程度ですが、進行してくると少しずつ足の着きが弱くなり後ろ足を伸ばしたりした時に嫌がるようになり、さらに進行すると完全に後ろ足が着かなくなり、後ろ足を動かすと痛がり捻発音が聞こえるようになったりします。また、剥離骨折などを伴い急激に症状が進行する場合もあります。
診断
診断は犬種、年齢、臨床経過を参考に、整形外科的検査を行い、疑いがあればレントゲン検査を行います。レントゲンにて骨の変形・融解や透過性の低下が認められます。レントゲンにて明らかでない場合にはMRI検査にて早期診断が可能な場合があります。
治療
レッグペルテスは大腿骨頭の変形が重度のため内科治療(保存療法)では改善しない事が多く、ほとんどの場合で手術が必要となります。
手術方法としては変形した骨をなくす必要があるため、大腿骨頭切除術(FHO)もしくは股関節全置換術(THR)のいずれかが選択されます。
大腿骨頭切除術は骨を切除して骨同士が当たらないようにする手術で、股関節全置換術は人工関節を入れ、股関節を作り替え正常に近い機能を目指す手術です。
何れにしても筋肉が落ちる前に早めの外科手術を行うことが重要です。
図:大腿骨頭骨頸切除 FHO
図:股関節全置換術 THR